帰ってきたもてない男(小谷野敦)ちくま新書
「帰ってきた」がついていない方も大分前に読んだ記憶があるので、 期待半分手に取ったが、はずれだったかもしれない。前書への批判に 対する反駁と、その後に出た小倉千加子や酒井順子の本などへの 意見を述べるにとどまり、目新しい意見、奇抜な意見はない。 これなら少し前に出た「オニババ化する女たち」の方が センセーショナルで面白かった。
スポーツマンがもてるとか、恋愛と結婚がセットになって結果として 晩婚化が進んだとか、出会い系サイトの実態とか、他のところでも十分 語りつくされたようなことを題材にしているのは残念。 ああ、逆にこの本に書いてあることが当り前で不思議ではないと思えると 言うことが「もてない男」の証明だったりするのかも。複雑。 とはいっても、著者は自分の恥をさらけだしてネタを提供してくれているのだから 文句は言えまい。期待したのはこの様な独白形式のエッセイではなく、 他とは異なる切り口による「もてない男」の分析をして欲しかった。 その結果得られる処方箋には、今までとは違うアプローチの方法があり、 晩婚化、少子化と言った社会全体の問題をも解決する糸口になるのでは、 と思ったのだが、期待しすぎました。 ある意味の自虐エッセイとして、あと書きに著者の求婚条件まで書いてしまっている いさぎのよさに脱帽します。