犀角(Diceros Horn) 2005 01

とくながの「書き散らかし」です

ここは研究・調査・開発などの記録がメインのページです。 日常の雑事、読書記録は はてなダイアリー の方に書いています。よろしければそちらもどうぞ。

Sun, 30 Jan 2005

SWT で OpenGL

Java で OpenGL するには jogl が知られているが、 SWT でも OpenGL plugin がある。 詳しい情報は eclipse のサイトの SWT Experimental OpenGL Plug-in にある。残念ながら、SWT 3.0.1 との組合せでは、Linux GTK や motif の環境では うまく動かすことができなかった。WinXP ではうまく動いたので、 ハードウェアの問題ではないと思うんだけど。
とすると、Java Web Start をつかって、SWT + OpenGL のアプリケーションを 配布できるはず。ただしセキュリティの問題のため、jar ファイルに署名が必要。 方法は、IBM developerWorks のDeploy an SWT application using Java Web Start クライアント・サイドのJavaアプリケーションの開発と配布 や Sun 本家の Java Web Start Technologyなどを見るとよい。
SWT の jar やネイティブライブラリを勝手に署名していいのかどうかが よくわからないんだけど、eclipse のサイトの SWT FAQ の「How can I package my standalone SWT app for Java Web Start?」と言う記事 によると、勝手に署名してもいいみたいに書いてあるけど。

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Sat, 29 Jan 2005

コモンズ(ローレンス・レッシグ)翔泳社

なぜ今さら、とか言われそうだが、内容の断片を知ってはいたが、 知人に勧めたりしたこともあって、初めて通して読んでみた。 本の内容は、インターネット上のイノベーションの鍵となっているものは何か、 アメリカでおこっているネット関係の訴訟の背景にあるものは何か、 オープンソースはなぜ受け入れられているのか、企業がビジネスとして オープンソースに貢献する理由は、などと言う問いに対する答えを与えている。 いや、答えと言うよりも著者の立場(法学者)からの見方、問題提起を与えていると 言った方がいいかもしれない。
技術者の観点からは、「オープン」であることの価値は直感的に感じているものだが、 それを「コモンズ」と「レイヤー」という概念の下、様々な例を引合に出して 検証している。特に後半の特許や周波数のコントロールがイノベーションに与える 影響を論じたところは、鋭い分析。インターネット、特にオープンソースについて 研究する場合のもっとも基本の土台となろう。学部レベルにとっては、教員にとっても 学生にとってもネタの宝庫と言ってもいい。

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Sun, 23 Jan 2005

科学技術はなぜ失敗するのか(中野不二男)中公新書クラレ

中央公論のコラムをまとめたもの。 ロボット開発、原子力、宇宙開発などを俎上にのせ、 マスコミの報道だけでは見えてこない問題点をあぶりだしていく。 と、まあそういう趣旨の本で、確かに原子力発電所の蒸気漏れ事故や 人工衛星の問題は鋭い切り口を見せている。ただSARSやGPS、日本の科学技術ビジョン について触れた項では一般的に知られていることと、 著者の感想に終止していて、新たな問題提起はされていないように思えた。 大規模な科学プロジェクトは政治的な側面がどうしても出てくるので、 そういう方向から報道がゆがめられたり、表沙汰できない事情があるのは しかたがないところ。その点にスポットを当てているところは面白いし、 ああ、そうだったのかと思えることもあるが、科学そのものに対しては あまり解説されていないのが残念。

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Mon, 10 Jan 2005

崖っぷち弱小大学物語(杉山幸丸)中公新書ラクレ

この本の内容はフィクションではない。まさにEまたはF ランクの大学の日常の詳細なドキュメントである。 世の中の多くの人、同じ大学教育に携わっている人でも トップランクの大学にいる人からはまさに信じられない ことがおこっているのだ。それをこうして紹介してくれているだけでも この本の存在価値は大きい。 かつてよく似た境遇の立場にいたものとして、学生に対する思い、 大学運営に対する不満、など共感できるところも多いし、 教員はサービス業であると言うのもうなづける。 そういう中、学生に迎合し、経営者のご機嫌をとり、 授業はビデオを見せて手抜きをするような教員は やはりどの大学にもいるということもわかった。 学部長として教育を少しでもよくしようと奮闘している著者 はまれな存在だろう。ほとんどの企業や他大学からの落下傘教授は もはや余生の気分でイエスマンになっている人ばかりだから。

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量子コンピュータとは何か(ジョージ・ジョンソン)早川書房

ちょっと前まで専門家向けの話題だった量子コンピュータが一般向けの啓蒙書に まで取り上げられるようになった。 基本的なコンピュータの仕組みから説明始め、巧みな比喩でチューリングマシン、 ショアのアルゴリズム、公開鍵暗号、などが説明されて行く。 肝心の量子ビットについては、重ね合わせの原理を使って、同時に状態を表現する ことができることがキーとなっていることは説明されているが、量子力学について 少し説明不足のように感じた。 ただ、終わりの方で量子コンピュータの解釈をいろいろ紹介していて、タンパク質が 自らを折り畳む方法をどのように見つけだしているのか?という問題提起は興味深い、 ペンローズのように、脳自体が量子コンピュータだと考えるのは、奇抜すぎるが。

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