科学技術はなぜ失敗するのか(中野不二男)中公新書クラレ
中央公論のコラムをまとめたもの。 ロボット開発、原子力、宇宙開発などを俎上にのせ、 マスコミの報道だけでは見えてこない問題点をあぶりだしていく。 と、まあそういう趣旨の本で、確かに原子力発電所の蒸気漏れ事故や 人工衛星の問題は鋭い切り口を見せている。ただSARSやGPS、日本の科学技術ビジョン について触れた項では一般的に知られていることと、 著者の感想に終止していて、新たな問題提起はされていないように思えた。 大規模な科学プロジェクトは政治的な側面がどうしても出てくるので、 そういう方向から報道がゆがめられたり、表沙汰できない事情があるのは しかたがないところ。その点にスポットを当てているところは面白いし、 ああ、そうだったのかと思えることもあるが、科学そのものに対しては あまり解説されていないのが残念。