犀角(Diceros Horn) 2005 01 10

とくながの「書き散らかし」です

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Mon, 10 Jan 2005

崖っぷち弱小大学物語(杉山幸丸)中公新書ラクレ

この本の内容はフィクションではない。まさにEまたはF ランクの大学の日常の詳細なドキュメントである。 世の中の多くの人、同じ大学教育に携わっている人でも トップランクの大学にいる人からはまさに信じられない ことがおこっているのだ。それをこうして紹介してくれているだけでも この本の存在価値は大きい。 かつてよく似た境遇の立場にいたものとして、学生に対する思い、 大学運営に対する不満、など共感できるところも多いし、 教員はサービス業であると言うのもうなづける。 そういう中、学生に迎合し、経営者のご機嫌をとり、 授業はビデオを見せて手抜きをするような教員は やはりどの大学にもいるということもわかった。 学部長として教育を少しでもよくしようと奮闘している著者 はまれな存在だろう。ほとんどの企業や他大学からの落下傘教授は もはや余生の気分でイエスマンになっている人ばかりだから。

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量子コンピュータとは何か(ジョージ・ジョンソン)早川書房

ちょっと前まで専門家向けの話題だった量子コンピュータが一般向けの啓蒙書に まで取り上げられるようになった。 基本的なコンピュータの仕組みから説明始め、巧みな比喩でチューリングマシン、 ショアのアルゴリズム、公開鍵暗号、などが説明されて行く。 肝心の量子ビットについては、重ね合わせの原理を使って、同時に状態を表現する ことができることがキーとなっていることは説明されているが、量子力学について 少し説明不足のように感じた。 ただ、終わりの方で量子コンピュータの解釈をいろいろ紹介していて、タンパク質が 自らを折り畳む方法をどのように見つけだしているのか?という問題提起は興味深い、 ペンローズのように、脳自体が量子コンピュータだと考えるのは、奇抜すぎるが。

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