逆問題入門(山本昌宏)岩波書店
岩波講座物理の世界の中の一冊。 「制御する」のシリーズなので、テクニカルなことが中心かと思ったら コンパクトな概説だった。と言ってがっかりするのではなく、むしろ逆で 歴史的な問題、工学的な応用問題など様々な例を挙げながら、 逆問題で、何が難しくて、何が解けるとうれしいのかをわかりやすく 説明している。後半のアダマールの適切性の概念や、数値微分法などを 説明しているところは、専門家として少ないページ数の中で何を書くか という苦心の跡が見える。でもやっぱり難しい。
他の分野との交流がない、職人芸の世界になってしまった分野よりも、 このようなどういう分野と結び付くかさえ予想できないようなものが 一番面白いところなのだと思う。