「学者の値打ち」鷲田小彌太(ちくま新書)
すごいえらそうなタイトルだが、著者もあとがきで「公正な評価をめざした、といえば嘘になる」と述べているように学者についての評価は、著者の立場からみた印象が中心になっているため、この種の本に期待する、痛快感はない。
一方、第二部の「大学の中と外」は独立行政法人化等、変化しつつある大学というものに対して、その中にいる大学人の化けの皮をはがし、アカデミズムとジャーナリズムが近付いていることを示している。知識人の意味が変化したこと、消費の価値が変化していること、大学教育のビジネス化などを論じた第九章が一番興味を持って読めた。
というのも、文系の学者の世界の紹介が主題であるため、特定の個人の思想史であったり、個人の間の論争の紹介であったりというのが多いが、その論争になっているテーマ(哲学、思想等)に興味がなければ退屈だからかも。研究の手法などを紹介してくれたら理系人間にも受けたのでは?
章末の採点表は蛇足だろう。