犀角(Diceros Horn) 2004 06

とくながの「書き散らかし」です

ここは研究・調査・開発などの記録がメインのページです。 日常の雑事、読書記録は はてなダイアリー の方に書いています。よろしければそちらもどうぞ。

Sun, 27 Jun 2004

「素晴らしき自転車の旅」(白鳥和也)平凡社文庫

最近再び自転車に対する興味が増してきているのだが、 その気持ちをさらに高めてくれた本である。 競技者のスタンスではなく、自転車の旅を楽しもうというスタンスで 書かれているのがよい。 特に自転車の種類と周辺機材の説明に関しては、 これから自転車を趣味としようとする人に対して、わかりやすく、詳しすぎず 非常によくまとまっている。わたし自身最近のクロスバイクについては あまり知らなかったのでよい勉強になった。より詳しいことは専門家に直接聞けという 書き方も下手に紙に書いたものを誤解されるよりは、そちらの方がよいという判断だろう。 乗り方や安全に対しても優先順位が明確なのがよい。
とりあえず脈がありそうな人にはこの本を読んでもらって仲間に引き込もう。

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Sat, 19 Jun 2004

シングル化する日本(伊田広行)洋泉社

刺激的なタイトルだが、経済学者による家族の問題の分析と新たな社会の提言を行った本。 第一章、第二章で結婚、家族、少子化の問題を様々な統計データを元に分析。これ自体は他の本でも行われているし、新たな視点が加わったと言うものでもない。問題意識の再確認と言うところ。これから出生率が回復すると言う仮定の下に年金を設計している役人とは問題意識を共有できていないんだろうな。そういうことがこの本の主題ではないので、これ以上は自粛。
後半が「シングル単位」社会の提言。題名に「シングル化する社会」とあるが、「シングル化」しているのではなくて、「シングル単位の社会」にしてはどうかと言うものなので、題名は単に戦略的なものだろう。
シングル単位の社会の理念は基本的に賛成。著者の言うシングル化社会では、雇用の問題、年金問題も解決するとしている。ただし、あまりに理想的な社会を夢見ているような気がする。問題は今の政治状況の下で、それをどのように実現するかと言うことだろう。

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Wed, 16 Jun 2004

量子コンピュータと量子暗号(西野哲朗)岩波書店

近年公開鍵暗号との絡みで耳にすることが多かった量子コンピュータだが、 量子力学の原理を応用したコンピュータと言うぐらいの漠然とした イメージしか持っていなかった。この本は量子チューリングマシンの 解説や量子コンピュータによる暗号解読のアルゴリズムを詳細に渡って 説明してあり、また量子コンピュータの実現に関して現在どこまで進んでいるか を紹介している。わずか70ページあまりだが、これほどコンパクトな量子コンピュータの 入門書はないだろう。量子コンピュータシミュレーションに興味がわく。

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Sun, 13 Jun 2004

「はみだし幾何学」徳山豪(岩波書店)

計算幾何学、離散幾何学の入門書。ボロノイ図、ヘリーの定理、NP問題などを、身近な例で説明しながら解説している。例に出てくるような「最大面積の円を切り取る問題」や「空に正座のある理由」「箱入り娘パズル」などの問題って、問題そのものはすぐに理解できるけど、 解き方は統一的なものがない直観的なものというイメージがあるが、その根底に流れている概念をうまく説明してあって、面白い。
コンピュータの世界に直接的な応用がある数学としてもっと注目されていい。 この本が発行されたのがほぼ10年前。どれくらい研究が進んでいるかはチェックしておこうと思う。

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Tue, 08 Jun 2004

簡易VR

日経BPの記事 から。

直角のコーナーを持つ部屋なら2台のプロジェクターで各壁面に最適な映像を映すことで、簡易的なVR空間を実現できる。
とのことですが、単に壁面に映すために画像を変換しただけ、とかだったらがっかりなんですけど。立体に見えるのかどうかが気になります。

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Fri, 04 Jun 2004

意識とは何か(茂木健一郎)ちくま新書

「意識」と言うものについて、「むずかしい問題」 として正面から取り組んだ本。意識について脳科学の立場からまとめようとするのではなく、 いわゆる「クオリア」を軸として、さまざまな方向に議論を広げようとしている。ネットで他の人の感想を読んでも、感じるところが人それぞれなのがおもしろい。
ここでは「意識」を脳が生成する「もの」としてとらえている。さらに「私」というものが他者との関係において、意識を生成するプロセスという立場。 「私」という固有のものがあるというのではなく、 他者とのかかわりの中で変化していくものだとしている。
言いたいことは分からなくはないが、果たして問題を著者と同じように認識できているのかについては心もとない。何かが「分かる」ようになるというよりも、 ものの見方を変える本。意識の問題について、 自分で考えてからもう一度読み返してみたい。

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