インビジブルハート (ラッセル・ロバーツ) 日本評論社
知合いの経済学の先生から勧められた。経済学の副読本と言うか、 恋愛小説と言うか。まあ分類はさておき、面白い本であることには間違いない。 主人公の会話を通じて、エコノミスト的世界観が徐々に自分の中に形成されて いくようだ。小説全体を通して、市場のはなし、インフレのはなし、起業の社 会的責任のはなし、公共福祉のはなし、二酸化硫黄排出権のはなしまで展開す る。特にページが割かれているのが工場が賃金の安い国外に移転する問題。賛 成派、反対派両方の意見が書かれているが、経済学的視点からはどちらが正し いか主人公の口を借りて説明してある。非常に明解。小説としても最高の部類 に入るかどうかは、睡魔や空腹を忘れ、一気に読んでしまえるかと言うことだ が、私の場合、まさにその通りになった。