アフォーダンス--新しい認知の理論 (佐々木正人) 岩波科学ライブラリー
不勉強にしてこの本を読むまでアフォーダンスと言う言葉すら、 よくわかっていなかった。人工知能やロボットで再び脚光を浴びている。 この本ではアフォーダンス理論を完成させたギブソンの思考をたどっていく。
従来の認知科学のモデルでは、人間は環境より刺激を受け、それを脳で処理し た結果が情報となる。一方ギブソンの理論では、情報は頭の中で作られるので はなく、知覚によって直接手に入れるものだとしている。脳は環境の中で 意味を持つ情報を探索しているのだと言う。アフォーダンスとは、環境が知覚 者に与える価値のこと。
この本には出てきていないが、よく言われる例は引く扉か押す扉かを 扉自身に語らせる例だとか、コンピュータのアイコンの例などがあげられる。 確かにアフォーダンス理論を、よく理解してユーザ・インターフェースの設計 などをするときに意識しておくとよさそう。 しかし、きちんと理解しないで使うと混乱のもとになるかもしれない。 あまり応用例にはなかったが「変形から不変なものが知覚される」原理は VRのインターフェースをどのように設計するかのヒントになりそう。 考えるきっかけにしてみよう。