犀角(Diceros Horn) 2003 11

とくながの「書き散らかし」です

ここは研究・調査・開発などの記録がメインのページです。 日常の雑事、読書記録は はてなダイアリー の方に書いています。よろしければそちらもどうぞ。

Sun, 30 Nov 2003

Collision

引続き衝突に関して。針の 穴の糸通しで衝突を利用するプロトタイプを作成するが。

    wakeup = new WakeupOnCollisionEntry
        (shape,WakeupOnCollisionEntry.USE_GEOMETRY);
とした場合、MouseRotator を追加したノードと同じノードに 追加すると、かなり遅くなってしまう。USE_BOUNDS にすれば 速くなるが。どちらの場合も、衝突対象となる物体の感知が 思い通りに行かない。3D空間内のインターフェースとして 衝突を利用しようとするには、もう少し精度がよくないと。 アクセラレータでも欲しいところ。

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Sat, 29 Nov 2003

情報量基準による統計解析入門(鈴木義一郎) 講談社

情報量基準を扱った数少ない一般の書籍。 読むのは第6章からでよい。 先を読む統計学 に比べて情報量基準による各種の分析の実例が多く紹介されている。 通常の分析と情報量基準による分析が並列して書かれているので、 情報量基準の能力の高さを実感できる。

残念なのは誤植が多い(数値の記述ミス)ことと、大文字と小文字の使いかたが 統一されていないこと。第6章の情報料基準の説明の部分もブルーバックスの ものと大差なく、より深い解説を期待していただけに物足りない。

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小説吉田学校 第二部党人山脈 (戸川猪佐武)

第一部が吉田派(自由党)からの視点で書かれていたのに対し、 第二部は鳩山派(民主党)からの視点で書かれている。 日ソ共同宣言が締結するまでの紆余曲折は、それぞれの政治家が どんな思惑を持って行動したのか、それがどのような影響を与えたのかが 克明に記され、当初些細なことと思われていたことが大きな影響を及ぼしてい たこともわかる。長期的な視点に立つ結果、直近のものに歪を生じさせたため に失敗してしまったり。交渉は土壇場での駆け引きでどちらにも 転び得るものだったり。優先順位を確立してその原則を曲げ ずに行動できること、最後の最後のぎりぎりのところで適切な判断が下せるこ と、これが偉大な政治家の条件だと言う気がした。

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Mon, 24 Nov 2003

Outside In

ふとしたことから、球面裏返しの動画が公開されていることを知った。 Outside In :Introduction 何度見ても面白い。Java3D で挑戦してみたい。もう誰かやっているかな? サーストンの作った C++ プログラムは公開されているんだけど。

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マンキュー経済学I ミクロ編 (N・グレゴリー・マンキュー) 東洋経済新報社

いまさら学部生向けの教科書を読んでどうする、と言う突っ込みもあるかも知 れないが、総復習と頭の中の地図を作りなおすために通読。と言っても週末に 一章ずつ読んでいたら数ヵ月もかかってしまった。

今までの研究上、モデルの作成、抽象化の方向にかたより過ぎていたきらいが あるため、現実に即した理解を高めると言う目的では有意義だった。

著者はアメリカの著名な若手経済学者。ブッシュ政権でCEA委員長に就任。 ミクロよりもマクロ経済学の業績の方が多いし、教科書もそちらの方が定評が ある。他のミクロの教科書と比較したわけではないが、くどいぐらいの詳しい 説明、豊富な練習問題、ケーススタディなど、教科書としては十分高いクォリ ティを持っている。需要曲線と供給曲線がどの章にも頻繁に書かれ、それをも とに説明が展開する様は、ニュートン力学のように少ない基本原理を様々な問 題に応用して、複雑な現象を説明していくようなもので、気持ちがよい。ミク ロ経済学を批判する、もしくは発展させるものも、古典力学における解析力学か、 量子力学のようなもので、それによって古典力学の価値が下がらないのと同様、 ミクロ経済学の価値も下がらないだろう。

それにしても、世間一般の経済に対する認識が、いかに誤解が多いか。ケース スタディや表面的な数字のお遊びをする前に、原理を頭に叩き込んでおいて、 そういう発想ができるようにしておくことがいかに大事か。自戒を込めて。

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Sun, 23 Nov 2003

ザ・ヘッジ 回避 (幸田真音) 講談社

著者のデビュー小説。既に多くの経済小説を著しているが、 この小説は特に新鮮さを感じさせて、一気に読ませる。 ヘッジファンドを舞台として、ディーラの緊張感や 達成感、人間関係などが、現場出身の著者らしく いきいきと描かれていて、十分詠み手を楽しませてくれる。 ボスは、著者の理想が投影されていると思えるのだが、どうだろうか。

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Fri, 21 Nov 2003

小説吉田学校 第一部保守本流 (戸川猪佐武)

総選挙のころから読みはじめたが、やっと今ごろ読み終わった。

現代史をそれほど詳しく勉強したことがないせいか、 今まで知っていたことは、報道された記事からの 情報がほとんどであったことを痛感した。 政治家がどういうことを考えて、また行動をして、 その結果、報道を通して世間に知らされるものが何か。 国内世論、GHQ、反対勢力など対抗しながら、自分の信念を通して、 また時には複雑な条件下で妥協案をさぐる様がいきいきと描写されていて、 下手な政治ドラマよりも興奮を覚えた。

現代の政治家は信念を持っているのかなあ。

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Mon, 17 Nov 2003

blogじゃなくて日記

Weblog ならば他のWebサイトの最新の記事にコメントつけたりして ネットワークを作っていくことに意味があるのだけれど、なんだか ただの日記(しかも週末限定)になりつつある。まあポリシーは変化しつつも 続けることに意義があると自分をなぐさめつつ、当分このペースで。

ベイズ統計学とゲーム理論の関係などをテーマに文献にあたるが、 まとめられるようなものは出せず。積ん読が増えただけに終わったかも。

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Sun, 16 Nov 2003

アフォーダンス--新しい認知の理論 (佐々木正人) 岩波科学ライブラリー

不勉強にしてこの本を読むまでアフォーダンスと言う言葉すら、 よくわかっていなかった。人工知能やロボットで再び脚光を浴びている。 この本ではアフォーダンス理論を完成させたギブソンの思考をたどっていく。

従来の認知科学のモデルでは、人間は環境より刺激を受け、それを脳で処理し た結果が情報となる。一方ギブソンの理論では、情報は頭の中で作られるので はなく、知覚によって直接手に入れるものだとしている。脳は環境の中で 意味を持つ情報を探索しているのだと言う。アフォーダンスとは、環境が知覚 者に与える価値のこと。

この本には出てきていないが、よく言われる例は引く扉か押す扉かを 扉自身に語らせる例だとか、コンピュータのアイコンの例などがあげられる。 確かにアフォーダンス理論を、よく理解してユーザ・インターフェースの設計 などをするときに意識しておくとよさそう。 しかし、きちんと理解しないで使うと混乱のもとになるかもしれない。 あまり応用例にはなかったが「変形から不変なものが知覚される」原理は VRのインターフェースをどのように設計するかのヒントになりそう。 考えるきっかけにしてみよう。

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ベイジアン・ネットワーク

古い記事で恐縮ですが @ITの記事 にベイジアンネットワークのことが書いてある。関連する記事にも参考となる ものが多かった。 まずは産業技術総合研究所本村陽一氏の 「確率ネットワークと知識情報処理への応用」。 言葉の定義と問題点の抽出がされているところがありがたい。

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スピングラスのシミュレーション

イジング模型の発展形として スピングラスのシミュレーション を作成。相互作用が全てのセルの間で行うので、ちょっとズルの ような気もするが、どうなんでしょうか?

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Sat, 15 Nov 2003

変化をさぐる統計学(土金達男) 講談社ブルーバックス

対話形式の「やわらかい」統計学の本。 導入としてはよいのだろうけど、この本を読んだから何かがわかると言うわけ ではない。もう少し突っ込んでほしかったな。もちろんブルーバックスなので、 こういうレベルの内容に需要があると言うことも理解しているつもりだが。

と言いつつも、3章のパス図、6章のニューロンネットワークの話題も少し触れてい るところはいい。

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Mon, 10 Nov 2003

Primitive をつけたり消したりする

3次元でイジング模型およびスピングラスの シミュレーションを可視化するために Primitive (具体的には Sphere) を つけたり消したりする方法を考えてみた。

  • BranchGroup の下につけて、detach / addChild を繰り返す。
  • 透明な Appearance を用意して、Appearance を取り換える。
ちなみに透明な Appearance は次のようにして作ることができる。
    Appearance app = new Appearance();
    app.setTransparencyAttributes
        (new TransparencyAttributes
            (TransparencyAttributes.FASTEST,
             1.0f));
前者の方が Primitive の個数が減ったときに Live なノードが減るため 速度の改善が期待できるが、ノードの追加削減は時間かかりそう。 パフォーマンステストしてみよう。

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Sat, 08 Nov 2003

AIC 赤池情報量基準

日本人の名前がついた概念も最近はよく見掛けるようになった。 AIC と略されるこの概念はモデルのパラメータの個数を p とするときに

AIC = -2 MLL + 2p
で表される。情報量基準と言う名前は、モデル(確率分布)の適合度を調べるた めのもの。この値が小さいほどモデルがよく適合していることを表している。 2項目の 2p はパラメータの個数はできるだけ少ない方がいいという意味で、 ペナルティ項とも言われる。

最近は 東京大学の統計分析概論のテキストでも扱われているらしい。 統計ソフトの R でも AICが計算できる って言うのは試す価値あり。

情報量基準は AIC だけではなく BIC という Bayes Information Criterion と言うものもある。 ベイズ統計の趣旨からはこちらの導出を理解すべき。

統計学の文献を探していると、数学や物理だけでなく 生物など異分野の文献がヒットする。例えば モデル選択手法の水産資源解析への応用 なんて言うものもあり、全てはもちろん理解できないものの、 応用範囲の広さを改めて実感する。

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情報統計力学との関わり

伊庭 幸人 (著)「岩波講座物理の世界 物理と情報 (3) ベイズ統計と統計物理」(岩波書店) を読了。最後の画像修復に興味を覚える。シミュレーションプログラムを画像修復のマネゴト (というのはMAP推定をしているわけではないから)ができるように改良。また、ローカルで多数 実行してデータの平均をとったものをグラフ化。

情報統計力学

いろいろ調べていると、 篠本 滋 (著)「情報の統計力学」(丸善) 豊田 正 (著)「情報の物理学」(講談社)などと言う書籍を発見。 後者の本の2章のボルツマンのH定理から相対エントロピーの導入のあたりは、非常に面白い。 前者の本は、前半が統計力学、後半が情報理論のトピックを扱っている。 6章に少しだけベイズ統計のことが記述してあるが、それが目的の本ではなく、むしろその後の 画像再構成、ボルツマンマシン学習などへの導入と考えられている。

ボルツマンマシン学習

マシンが生成する乱数の従う確率分布を、外界のモデルが生成する乱数列をもとに 外界のモデルの分布に近づけていくのがボルツマンマシン学習である。 「近づける」ためには距離が必要で、そこにカルバックダイバージェンス(=相対エントロピー) が登場する。とりあえず次の目標はボルツマンマシン学習のシミュレータ作成、かな。

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ベイズ統計ことはじめ

ベイズの定理と呼ばれる条件付確率の公式についてはわかっているものの、 それがどのようにして統計に使えるのだろうと言う疑問を解消したいと思う。

情報収集

まずは講義ノートを探してみることにする。 最初に読んだのが http://courses.ncssm.edu/math/TALKS/PDFS/BullardNCTM2001.pdfである。 条件付確率から、ベルヌイモデルに関するベイズ統計を例をあげて計算しているので、 非常にわかりやすい。 Prob(model|data) を Prob(data|model) から求めるのがベイズ統計だと言う基本は理解できる。

日本語の文献としては、 http://www.ikuta.jwu.ac.jp/~yokamoto/openwww/stat/estparam/bayes/readme.pdf が見つかる。グラフが多用してあり、視覚的に理解できる。 書籍としては、 渡部 洋 (著)「ベイズ統計学入門」(福村書店) 伊庭 幸人 (著)「岩波講座物理の世界 物理と情報 (3) ベイズ統計と統計物理」(岩波書店) がある。前者は日本語としてはほぼ唯一の基礎から書かれた入門書。一通り目を通した。 著者が社会科学の人と言うのが、この本のよいところでもあり、悪いところでもある。 後者は統計物理の立場から書かれた本。読みものとして面白い。現在読書中。 触発されて、Ising模型のシミュレーションプログラムを作りなおしました。

事前分布、事後分布

事前分布からデータ(実験結果)によって事後分布が得られる、ということはわかっても、 事前分布の「分布」とは何なのか。ベルヌイ試行の場合、正規分布の場合、それぞれで異なるので 一見わかりにくい。事前分布、事後分布でいうところの分布とは、もとの確率モデルの分布ではなく、 もとの確率モデルの測度全体の空間(もしくは部分空間)上の分布である。 わかっている人には、「何をいまさら、それが推定と言うものだろう。」と言われそうだが、 あえて続けてみる。

コインの表と裏のように2個の集合{A,B}からなる確率空間上の測度は、一方の要素の確率P(A) によって決まる。したがって、確率測度全体は0以上1以下の実数の区間に等しく、事前分布は この区間上の分布を与える。それがベータ分布で与えられる場合、事後分布もベータ分布になる と言うことは、ほぼどの入門書にも書いてある。 もとの確率空間が実数の場合、例えばその上の分布として正規分布のみを考え、 さらに分散も固定すると、 平均値だけでもとの分布は決まる。この場合事前分布はその平均値の分布である。

正規分布における平均値と分散のように、確率分布がパラメトライズされた 場合、そのパラメトライズされた空間に相対エントロピーと言う距離もどき が入って、それによってリーマン幾何の真似事ができるらしい。 これは面白そうだ。

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Fri, 07 Nov 2003

Linux 版 Firebird で Java Applet を動かす

mozdev.org の faq を参考にして Linux 版の Firebird で Java Applet を実行できるように 悪戦苦闘。結論としては、

  • J2SDK 1.4.2_01 を使う
  • $JAVA_HOME/jre/plugin/i386/ns610-gcc32/libjavaplugin_oji.so を使う
  • MozillaFirebird/plugins にシンボリックリンクをはる
ことでOK。Java3D もばっちり動く。 http://www.linuxquestions.org/questions/history/85152 などを参考にした。gcc のバージョンが 3.2 より古いときはムリみたいです。 RedHat 9 は gcc-3.2.2-5 で動いたが、Vine2.6 は gcc-2.95.3-2vl22 なので ダメでした。

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Mon, 03 Nov 2003

スピングラスと連想記憶(西森秀稔)岩波講座物理の世界

このシリーズのなかでもひときわコンパクトな一冊。 だが、題名にある「スピングラス」と「連想記憶」 についてストレートな説明で、十分理解可能。

モデルの導入、メカニズムの説明、理論的解析と言う話の流れで、 エドワーズ・アンダーソン模型、シェリントン・カークパトリック模型、 ヘップ則、ホップフィールド模型などが解説されている。

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先を読む統計学(鈴木義一郎) 講談社ブルーバックス

いやはや。単なる統計学の本と思うなかれ。 この本のミソはIII章にある。そう、サブタイトルにもある情報量基準 の章である。この章だけでも680円の価値は十分にある。 いや680円では安いぐらいだ。この本の初版が1991年だが、 10年以上たった今でも、情報量基準を初心者向けの本で取り上げたのは 少ないのではないだろうか。ブルーバックスという形式上、 理論を深めずに、例による計算が中心になってしまっている(計算が中心とい うのもブルーバックスでは異端の部類かもしれない)が、 ここまでコンパクトにまとめているのだから文句は言うまい。 ただ、数式部分に誤植が多いのに注意。

III章の内容は「情報量基準」の説明。とくにAIC(赤池情報量基準) の計算方法の説明。推定、検定などの伝統的な統計学の手法とは別のアプロー チで、モデルの妥当性を定量的に検討しようとする手法。 ベイズ統計学にもよく登場していて、簡単な概説書を探してこの本に たどりついた。ひさびさのヒット。ベイズ統計学との関連は そちらのblog に書こう。

posted at 12:51 | category: /book/2003 | 固定リンク(先を読む統計学(鈴木義一郎) 講談社ブルーバックス)